
パナソニックの最新フラッグシップ炊飯器「SR-X910D」と、旧モデル「SR-V10BB」の違いを比較しました。
炊飯器の最上級モデルに新型が出ると、旧型と何が変わり、どのように進化したのか気になりますよね。
そこで、新型SR-X910Dと旧型SR-V10BBの違いを調べたところ、次のことがわかりました。
SR-X910Dの主な進化ポイント
※VBBシリーズとの比較
※※従来品は最大24時間まで
SR-X910Dでは、旧モデルのセンサーを引き継ぎつつ、「リアルタイム赤外線センサー」を新たに搭載しています。
この新センサーにより炊飯制御システム「ビストロ匠技AI」が進化。
従来品(VBBシリーズ)よりもごはんの甘みを引き出せるようになり、保温機能も性能アップしました。
続いて、上記3つ以外のSR-X910Dの変更点および、SR-V10BBとの違いをザックリ見てみましょう。
SR-X910Dの変更点(SR-V10BBとの違い)
※5.5合炊きモデルの価格。1升炊きモデルは上記より5千~1万円程度ほど高額です
仕様変更や一部機能の廃止はあるものの、SR-X910Dの基本スペックはSR-V10BBと大きく変わりません。
で、ちょっと気になるのは実売価格の差。
最新モデルのほうが高めになるのは仕方ないですが、2万円以上の価格差は無視できないですよね。
なお、ここまでにあげたSR-X910Dの特徴や旧型との違いは、1升炊きモデル「SR-X918D」にも共通しています(消費電力を除く)。
…といったデータを見たところで、「SR-X910Dがおすすめな人」と「SR-V10BBがおすすめな人」もサクッとお伝えしておきましょう。
新型SR-X910Dはこんな人におすすめ
旧型SR-V10BBはこんな人におすすめ
新旧モデルの大きな違いは「リアルタイム赤外線センサー」の有無と実売価格。
どっちのモデルがいいか迷う場合は、「新センサーによる甘みアップに価格差ぶんの価値はあるかな?」と考えるとよいかもしれません。
このあとの本文では、SR-X910DとSR-V10BBの違いをより詳しく解説します。
両モデルの共通点もお伝えしますので、炊飯器選びの参考にしてみてください。
パナソニック最強の炊飯器!新センサーで甘みアップしたごはんが楽しめるSR-X910Dはこちらから

コスパ優秀な上級炊飯器!「ビストロ匠技AI」が最高峰のごはんを炊き上げるSR-V10BBはこちらから

SR-X910DとSR-V10BBの違いを比較
パナソニックの可変圧力IHジャー炊飯器「SR-X910D」は、先代モデル「SR-V10BB」と何が違うのか。
主な違いから細かな違いまで、詳しく比較していきましょう。
センサー数と炊きあがりの違い
SR-X910DとSR-V10BBでは、圧力と火力をコントロールするためのセンサーが次のように違っています。
SR-X910D | SR-V10BB |
---|---|
リアルタイム赤外線センサー 沸騰検知センサー リアルタイム圧力センサー 釜底温度センサー | 沸騰検知センサー リアルタイム圧力センサー 釜底温度センサー |
SR-X910Dでは、従来の3つのセンサーに加えて「リアルタイム赤外線センサー」を搭載。
これにより、炊飯をリアルタイム制御する「ビストロ匠技AI※」の精度が上がり、ごはんの甘みを従来比で約8%引き出せるようになりました。
※「ビストロ匠技AI」の解説は後述
保温機能の違い
SR-X910D | SR-V10BB |
---|---|
うるおいキープ保温(最大30時間) | うるおいキープ保温(最大24時間) |
SR-X910Dでは、ごはんの水分をキープして保温できる「うるおいキープ保温」の性能がアップしています。
この進化は「リアルタイム赤外線センサー」の搭載によるもの。
ごはんの残量を高い精度で見極められるようになり、従来モデル以上の適切な温度コントロールが可能となりました。
その結果、うるおいを保って保温できる時間が、SR-V10BBの最大24時間から最大30時間に向上しています。
メカニズム・機能の違い
SR-X910Dの本体は、SR-V10BBから仕様変更されています。
新旧モデルの本体メカニズムと機能の違いを見ていきましょう。
静音化設計
SR-X910Dは本体が「静音化設計」になっています。
SR-V10BBの仕様表には同様の記載がないので、これは新たに採用された機構と考えてよさそう。
ただ、具体的にどのような設計になっていて、どのぐらいの静音化がされているのかは不明です。
とはいえ、従来よりも静かに炊飯できるようになったのなら、うれしい改良ポイントですよね。
液晶ディスプレイ
SR-X910DとSR-V10BBの本体ディスプレイは、どちらも反転タイプ(黒地に白文字)のフルドット液晶となっています。
ただし、SR-X910Dの液晶には、SR-V10BBに採用されていたタッチパネル機能がありません。
直感的に操作できるタッチパネルが廃止されたことは、先進性を求める人には残念なポイントかもしれませんね。
タッチキーの数と項目
SR-X910DとSR-V10BBにはタッチキーが備わっていますが、キーの数と項目が次のように違っています。
SR-X910D | SR-V10BB |
---|---|
炊飯 保温 予約 取消 決定 選択(左右) もどる | 炊飯 保温 取消 |
SR-X910Dの操作はタッチキーのみで行うため、キーの数が多くなっています。
一方、タッチパネル付きのSR-V10BBでは、タッチキーは重要な3項目のみ。
操作方法の違いが、キーの数と項目の違いにつながっているようですね。
「電気代目安表示」の有無
SR-V10BBには「電気代目安表示」機能がありましたが、SR-X910Dでは同機能が廃止されています。
この機能は、炊飯や保温の終了時に、かかった電気代の目安を表示するものです。
新モデルで廃止された理由は不明ですが、特に必要ない機能だとパナソニックでは判断したのかもしれませんね。
メニュー・炊飯時間の違い
SR-X910DとSR-V10BBでは、メニューと炊飯時間が少し違っています。
細かな違いですが、簡単に確認しておきましょう。
メニューの違い
SR-X910Dのメニュー(16種類) | SR-V10BBのメニュー(17種類) |
---|---|
白米 無洗米 玄米 発芽/分づき米 麦ごはん 雑穀米 金芽ロウカット玄米ごはん 炊込み 赤飯 炊きおこわ すし カレー用 おかゆ 玄米がゆ 雑穀米がゆ 金芽ロウカット玄米がゆ | 白米 無洗米 玄米 発芽/分づき米 麦ごはん 雑穀米 金芽ロウカット玄米ごはん 炊込み専用 赤飯 炊きおこわ すし カレー用 おかゆ 玄米がゆ 発芽/分づきがゆ 雑穀米がゆ 金芽ロウカット玄米がゆ |
SR-X910Dでは、メニューから「発芽/分づきがゆ」が廃止されています。
また、「玄米」の炊き方メニューも変更されていて、短時間で玄米ごはんを炊く「高速」が廃止されています。
炊飯時間の違い
SR-X910DとSR-V10BBでは、次のメニューの炊飯時間が違っています。
SR-X910D | SR-V10BB | |
---|---|---|
炊き込みごはん | 52~65分 | 55~65分 |
玄米(ごはん) | 78~105分 | 85~105分 |
発芽/分づき(ごはん) | 45~65分 | 48~65分 |
もち米(おこわ) | 46~58分 | 48~58分 |
SR-X910Dでは、上記メニューを最短で炊ける時間が短くなっています。
玄米ごはんの最短炊飯時間は7分も短くなっていますね。
ちなみに、SR-V10BBの玄米「高速」メニューの炊飯時間は68〜75分。
SR-X910Dの玄米ごはんを炊くスピードは、旧モデルの「高速」にちょっと近づいた、といえそうです。
本体の仕様の違い
SR-X910DとSR-V10BBでは、本体のサイズと重量、および消費電力が少し異なっています。
実用性に影響するほどの違いではありませんが、モデル選びの参考情報として確認しておきましょう。
本体サイズ・重量の違い
SR-X910D(5.5合炊き) | SR-V10BB(5.5合炊き) | |
---|---|---|
幅 | 28.6cm | 28.5cm |
奥行き | 30.0cm | 30.1cm |
高さ | 22.9cm | 23.0cm |
フタを開けたときの高さ | 44.5cm | 44.8cm |
重量 | 6.8kg | 6.3kg |
SR-X910DとSR-V10BBの本体サイズはわずかに違っています。
ほんの1〜3mmの違いなので、設置に必要なスペースはほぼ同じと思ってよいでしょう。
両モデルは重量も違っていて、SR-X910Dのほうが500g重くなっています。
持ち運びはSR-V10BBのほうがラクといえますが、炊飯器って設置したらあまり動かさないですよね。
ですので、500g程度の重さの違いを気にする必要はないでしょう。
ちなみに、SR-X9DシリーズとSR-VBBシリーズの1升炊きモデルは、サイズと重量が次のように違っています。
SR-X918D(1升炊き) | SR-V18BB(1升炊き) | |
---|---|---|
幅 | 29.2cm | 29.0cm |
奥行き | 32.7cm | 32.3cm |
高さ | 25.8cm | 26.0cm |
フタを開けたときの高さ | 50.0cm | 50.0cm |
重量 | 7.8kg | 7.2kg |
新型SR-X918Dは幅と奥行きが少し大きくなっていますが、高さは抑えられていますね。
また、幅と奥行きの違いもわずか2〜4mm。
こちらの設置に必要なスペースも、新旧モデルでほぼ同じと考えてよいでしょう。
なお、SR-X9DシリーズとSR-VBBシリーズの本体デザインは共通の丸型フォルムで、「現代のかまど」をイメージさせるカタチになっています。
消費電力の違い
SR-X910D | SR-V10BB | |
---|---|---|
年間消費電力※ | 83.0kWh | 81.1kWh |
炊飯1回あたりの消費電力 | 159Wh(エコ炊飯) | 169Wh |
保温1時間あたりの消費電力 | 16.6Wh | 12.9Wh |
省エネ基準達成率 | 105% | 107% |
新旧モデルの消費電力を比較すると、SR-X910Dは炊飯で消費する電力が下がり、保温に必要な電力が上がっています。
保温を多用する場合、電気代が多くかかるのはSR-X910Dといえそうですね。
なお、両機種の1升炊きモデルの消費電力は次のようになっています。
SR-X918D | SR-V18BB | |
---|---|---|
年間消費電力※ | 130kWh | 126kWh |
炊飯1回あたりの消費電力 | 231Wh(エコ炊飯) | 237Wh |
保温1時間あたりの消費電力 | 19.1Wh | 16.4Wh |
省エネ基準達成率 | 107% | 110% |
こちらも、新モデルのほうが炊飯の電力が小さく、保温の電力が大きいようですね。
…と、消費電力を比較してみましたが、新旧モデルの電気料金の差は、同じように使った場合で1年間に数十円ほどと考えられます。
両モデルのランニングコストに違いはあっても、気になるほど大きい金額差にはならないでしょう。
実売価格の違い

SR-X9Dシリーズ | SR-VBBシリーズ | |
---|---|---|
5.5合炊き | 【SR-X910D】 10~11万円前後 | 【SR-V10BB】 7万6千~8万3千円前後 |
1升炊き | 【SR-X918D】 10万6千円~11万6千円前後 | 【SR-V18BB】 8万円~9万3千円前後 |
SR-X910DとSR-V10BBの実売価格を比較すると、ニューモデルであるSR-X910Dのほうが2万円以上高額です。
1升炊きモデルについても、新型のほうが高額で価格差は2万円以上。
最新で高性能とはいえ、SR-X9Dシリーズはちょっとお高めです。
ちなみに、「象印」の最新フラッグシップ炊飯器は、実売価格が12〜13万円ほどします(5.5合炊きモデルの価格)。
比較すると、パナソニックのフラッグシップ炊飯器はちょっと安めといえそう。
メーカーが違うから、単純に価格比較はできませんけどね。
なお、象印の最新フラッグシップ炊飯器の詳細は、次の記事で解説しています。
>>炎舞炊きNX-AAとNW-FCの違いを比較!象印の炊飯器トップ機種は新旧どっちがおすすめ?
SR-X910DとSR-V10BBの共通点
SR-X910Dは先代モデルSR-V10BBの特徴を多く引き継いでいます。
新旧モデルの共通点から、炊飯器として魅力的なポイントを3つピックアップしました。
Wおどり炊き
SR-X910DとSR-V10BBには、独自技術「Wおどり炊き」が採用されています。
「Wおどり炊き」とは、「急減圧バルブ」と「高速交互対流IH」により、爆発的な沸騰と激しい対流を起こす技術です。
この沸騰と対流により釜内でお米がおどり、一粒一粒にムラなく熱が伝わる、というのが「Wおどり炊き」のもたらすメリット。
パナソニックでは、「Wおどり炊き」で炊くことにより、ごはんの甘みが約28%、粘りが約5%アップすると発表しています(同社の非搭載機種との比較)。
ビストロ匠技AI
SR-X910DとSR-V10BBには、炊飯テクノロジー「ビストロ匠技AI」が搭載されています。
「ビストロ匠技AI」は、お米の炊き方(圧力・火力)をリアルタイムでコントロールする技術。
本体のセンサーでお米の状態を検知して、多数の炊き方プログラムから最適な炊き方を自動で選んでくれます。
SR-X910DとSR-V10BBの場合、搭載されている炊き方プログラムは約9,600通りと膨大です。
「ビストロ匠技AI」の大きな魅力は、お米の鮮度に合わせて炊き方を調整してくれること。
たとえば、古くなり乾燥したお米でも、なるべくおいしく炊きあがるように圧力・火力を調整してくれます。
銘柄炊き分け
SR-X910DとSR-V10BBには、多彩な炊き分け機能が備わっています。
白米の炊き分けは13通りと豊富で、メニューやお米の種類に応じた炊き分けも可能。
さらに、日本全国のお米73銘柄に合わせて炊き分ける機能も搭載されています。
ちなみに、SR-X910Dの下位モデル「SR-X710D」にも炊き分け機能はありますが、こちらは白米の炊き分けが4通りで、銘柄炊き分けは6通りです。
比較すると、SR-X910DとSR-V10BBの炊き分けの多彩さはケタ違い。
お米の炊き方にこだわる人にうれしいスペックが与えられています。
SR-X910Dはこんな人におすすめ
パナソニックの新型炊飯器SR-X910Dは、次のような人におすすめです。
「リアルタイム赤外線センサー」によって甘みがアップしたごはんを味わえるのは、この最新フラッグシップモデルだけ。
ごはんの味、特に甘みにこだわりがある人にとって、SR-X910Dは試す価値のある炊飯器といえるでしょう。
また、ごはんを長時間保温する必要がある人にもSR-X910Dはおすすめ。
「うるおいキープ保温」で30時間もおいしさをキープして保温できるので、食事の時間がバラバラな家庭でも、家族全員がおいしいごはんを食べられます。
まあ、30時間も保温を続けることは少ないかもしれませんが、性能に余裕があるに越したことはありませんよね。
SR-V10BBはこんな人におすすめ
パナソニック炊飯器SR-V10BBは、次のような人におすすめです。
旧型となったSR-V10BBは、最新型SR-X910Dより2万以上安く購入できます。
それでいて性能は最新型と大きく違わないのですから、コスパ重視で上級炊飯器をお探しなら、SR-V10BBをチェックして損はないでしょう。
また、SR-V10BBには、SR-X910Dで廃止された「タッチパネル」と「電気代目安表示」が搭載されています。
先進的な操作感を好む人や、電気代をマメに確認したい人には、SR-X910DよりもSR-V10BBがマッチするでしょう。
SR-X910DとSR-V10BBの違い比較まとめ
パナソニック最新炊飯器SR-X910Dは、先代モデルSR-V10BBから炊飯性能と保温性能がアップしました。
「リアルタイム赤外線センサー」が新搭載され、ごはんの甘みをより引き出せるようになったことは、新モデルの大きな進化といえるでしょう。
一方、SR-V10BBは型落ちモデルとなったものの、そのぶんSR-X910Dより2万円以上も安く販売されています。
ザックリいうと、ごはんの味を重視するなら新モデルSR-X910Dがおすすめ、コスパ重視なら旧モデルSR-V10BBがおすすめです。
ぜひご自身でも、この魅力的な2モデルの情報をチェックしてみてください。
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